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2009年10月11日 - 2009年10月17日

クラウド・コンピューティングは使えるか?

 西田宗千佳著「クラウド・コンピューティング仕事術」(朝日新書刊)を読みました。前著「クラウド・コンピューティング」の続編です。アプリケーションソフトやデータ保存をネットワークを介して活用する,今まで以上にネットワークを活用するやり方です。今回は「仕事術」というように著者のクラウド利用の仕事術を紹介しています。いろいろなサービスや利用法があり,部分的には自分でも利用可能なものもありそうです。
 ただし,著者が何度も書いているように,これは,あくまで著者のようにネットワーク利用が仕事上必要不可欠な人に向いた方法です。セキュリティ問題をはじめ,現在の事業所や役所,学校では制度的に利用不可能なものが多く,今のところ,どちらかと言えば個人利用に向いているかもしれません。今,使いづらいものを使いやすく,便利にしたい,という気持ちは当然わかりますが,便利さと活用力は相反する関係にあります。最近の子どもがさまざまなことを読み取る力が弱いのは,生活が便利になりすぎているから,生活上で必要に駆られて考える場面があまりにも少なすぎるからだ,という話もあるほどです。今,ようやくセキュリティ意識を持ち始めた人々が,クラウドにまかせればセキュリティ問題のある面はクリアになる,などと思ってしまったら・・・,と考えるともっと制度的に整備される必要がありそうです。

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下弦の月の観察?

 急遽,4年生のクラスに入ることになりました。担任の先生が子どもに自習内容をしっかり伝えておいてくださったようで,子どもはきちんと自律的に行動していました。途中,何度か月の観察に運動場へ行くことがあったのですが,口々に「どこにもないなあ」と残念そうに言っていました。「ひょっとして」と思い,すぐにフリーのプラネタリウムソフトStella Theaterを立ち上げてみると,朝方に下弦の月が出るとのこと。プロジェクタでそれを映し,もし早起きできたら,東の空を見てみると見えるかも知れないね,と伝えました。熱心に観察するのは良いのですが,何度見ても見つからないはずです。

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自分の思いを表現するのに必要な情報デザイン力

 渡辺保史著「情報デザイン入門-インターネット時代の表現術-」(平凡社新書刊)を読みました。2001年初版なので,最新情報に少々今とずれる部分もありますが,考え方としては大変勉強になる内容ばかりでした。情報にまとまりをつけるという意味で,身の回りに情報デザインがあふれていることを意識することができました。「天気予報は天気,場所,時間,気温,降水確率などの情報をデザインすることで成り立っている」「本棚やクロゼットの整理」「買い物のリストアップ」など,他者への伝達や共有のために「情報にまとまりをつける」ことが情報デザインだ,という考え方です。
 リチャード・ソール・ワーマンの主張も初めて知りました。情報にまとまりをつける方法にはたった5つの基準しかないという考え方です。
1 カテゴリー
2 時間
3 位置 
4 アルファベット(五十音)順
5 連続量
 確かに,この5つを使えば身の回りのたいていの情報にまとまりをつけ,組織化できそうです。今職場で自分が使っているファイル類などは,カテゴリーでファイリングし,置き場所は位置によって管理しています。以前は時間によって位置を変えるというやり方をしていたこともありました。
 ウェブサイトを作る際の情報アーキテクチャの4要素もおもしろい考え方です。
1 情報の組織化・・・ワーマンのように情報にまとまりをつける方法
2 ナビゲーション・システム
3 ラベリング・システム
4 検索システム
このほかに,ユーザビリティ(使いやすさ)などもあげられていました。いずれにしても,情報を活用し表現する際に,プロの中には上記のことを意識している人がいるという点が参考になりました。学習のまとめにしても,自分の考えを表現させる場面にしても,何らかのヒントになる考え方です。

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相互評価の難しさ

 1年国語「めいしでじこしょうかい」の授業を見ました。自己紹介するときにどんなことを気をつければいいのか,課題をつかませるために自作ビデオを提示して説明していました。ビデオは,話し手と聞き手が向かい合って会話している様子を,二人から垂直の位置で撮影しています。自作ビデオは4パターンあり,3パターンはコミュニケーションがとりづらい様子が分かるように意図して変な様子を強調し,残りの1パターンはよい例を示していました。つかませたい課題は,「相手に伝わる声の大きさで話す」「相手に伝わる声の早さで話す」「相手の方を見て最後まで聞こうとする」「相手の話に合った質問をする」の4つです。
 次に,子ども同士が自己紹介し合っているビデオを見せて,みんなで改善点を見つけます。最初に示した4つの課題と照らし合わせて,良かったところ,直すともっと良くなるところをみんなで見つけました。これを3組分行いました。これによって,改善ポイントをみんなで確かめ合うことができました。前時に自分たちの自己紹介ビデオを見ているため,「自分の今日の改善すべきポイント」を4つの課題から選ぶことができました。(「落ち着いて話す」「間違えずに話す」という課題を出した児童もいました。)
 この「自分の今日の改善すべきポイント」をもとに4人組になって練習を始めましたが,様々な要素が入ってしまい,お互いに改善点を見合うための練習としてはうまく機能しませんでした。いくつか原因があると思います。
・ バラバラになることで子どもの意識も散漫になったこと
・ 「見合うこと教え合うことが大切だ」という意識よりも「おもしろさ,楽しさ」が勝ってしまった。(きちんと評価しようとする緊張感に欠けた)
・ どのように進行し,どのように声をかければいいのか,メンバーによってバラバラになってしまった。
・ 自分のがんばるポイントは分かっているけれど,人にアドバイスするやり方が分からない。
・ 自分ではがんばっているつもりだけれど,評価してくれる友達によっては気づいてもらえないことがある。
・ ビデオ鑑賞と違い,自己紹介をし合っている2人をじっと見ていることができず,そこで別のコミュニケーションが始まってしまうことがあった。
 課題をつかませるために,ビデオを意図的に見せることは効果的だったと思います。しかし,それを行動化させる部分は一朝一夕にはいかないものです。相互評価をすることについても,「上手な相互評価の仕方」を子どもに浸透させる必要がありそうです。うまく相互評価できれば確かに上達できる,と実感できるようになれば相互評価の良さに子どもも気づくはずです。
 

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思いはなかなか伝わらないもの,だからこそ

 名情研 実践研究部・カリキュラム研究部合同部会 第5回部会が御田中学校で開かれました。今回はいよいよ実践報告です。「教科の中で情報教育をいかに進めていくか?」が大きなテーマです。遅れて参加したため,報告は2実践しか聞くことができませんでしたが,4つの実践報告ができたようで,いよいよ軌道に乗ってきた感がします。
 ただ,不安材料もいくつかありました。校長先生方のご指導にもありましたが,まとめるべき指導案の書式がいまだにそろっていませんでした。今回で指導案について部会で話をするのは少なくとも4回はありました。それでも修正されないのはなぜか?もっと言うと,私が見た実践報告のうち,一つは完全にICT活用の指導案でした。情報活用能力の育成のねらいも書かれていないだけでなく,報告にも,情報活用能力をどのように育てたのかが完全に抜けていました。ということは,指導案の書式がそろわない理由の一つに「実践者と指導者の理解不足」が上げられるはずです。回数を重ねても大勢に共通理解を図ることの難しさを改めて感じました。思いはなかなかつたわらないものです。だからこそ,思いを何らかの形で表現し続ける必要があります。何度も何度もトライ&エラーを繰り返して改善するねばり強さがいります。
 ともあれ,今回も大勢の先生方が集まり,会が運営されたことは参与としては喜ばしい限りです。おみやげ企画のプラスビジョン様による電子黒板の紹介も大いに盛り上がり,参加者の機器利用に対する意欲の高さを感じました。次回は11月4日。2月の研究発表大会に向け,正念場が続きます。
 

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見通す力

 池上彰著「見通す力」(NHK出版生活人新書刊)を読みました。見通す力を高めるためには
1 情報の収集
2 情報の選別
3 仮説の設定
4 仮説の検証
5 行動の決定
が基本だと著者は紹介しています。いつも通り,大変読みやすく,たくさんの実例を挙げて説明をしてくれます。これはあくまで大人を対象にした文章ですが,子どもに「見通しをもたせる」という実践をこれまでもよく見ました。しかし,子どもの場合,特に「3 仮説の設定」「4 仮説の検証」などが実現しづらいと感じます。「見通し」という長時間にわたる概念自体も一律に身につけさせるのは難しい面があります。しかし,生活に役立てる情報活用能力を育てる場として「見通す力」は大切なようです。

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適正規模

 「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ました。「立ち止まり,足るを知る-酪農家 三友盛行-」です。三友さんは酪農や農業はは大規模にしなければ利益が出ない,という半ば常識のようになっていることと全く違う価値観で酪農を続け,実際に利益を上げている方です。飼う牛が少ないので一頭ずつの様子をじっくり見ることができます。自然の営みを利用するので,確実性が減るけれども,その分,謙虚に自然の様子を見て,それに合わせた酪農をしています。酪農家も飼われている牛も,その環境もすべて無理がありません。まさに,「足るを知る」を実践しています。「適正規模」にするためには,得るものもあれば,その代わり捨てなければいけないものもあります。
 日本の現状を国際関係の中から見ると,「拡大し続ける」「成長し続ける」という価値観は大きく揺らいでいます。教育現場にもその影は迫ってきています。例えば,外国語活動は何のために実施するのか?「コミュニケーション能力を育てる一環として行う」という文部科学省の説明は,果たして本質的な説明になっているのか?単に中学,高校の英語の補完としての存在ではないのか?だとすると英語はなぜ学ぶのか?ここに,何でもかんでも拡大させる思考,または,経済界からの影響を感じてしまいます。小学校で教えることの「適正規模」は一体どのくらいなのか?考えさせられました。

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