聞き手は石ころやカボチャではない
加藤昌男著「先生にこそ磨いてほしい ことばの伝達力-教室で役立つ30のヒント-」(NHK出版刊)を読みました。著者は元NHKのアナウンサーで「先生のためのことばセミナー」などの研修の担当者でもあります。このセミナーには以前名古屋での講座に参加したことがあります。その時に言葉を使う職業でありながら,いかに言葉を使いこなしていないか思い知らされた経験があります。教科書の音読一つとってもセンテンスごとにどのように読むべきか?なんて参加するまでは考えたこともありませんでした。せいぜい句読点を意識するだけだった音読に,「教えるべきことはまだまだたくさんあるんだ」と意識を変えられました。
この著書は,基本的にそのセミナーで感じたのと同じような「先生がことばを大切にすることが子どもへ良い影響をもたらす」という考え方で貫かれています。授業の組立についてはあまりに言葉を重視するあまり,少々異論をはさむ余地がありそうに感じましたが,ほとんどが参考にできることばかりです。「聞き手は石ころやカボチャではない」ということも,当たり前といえば当たり前ですが,自分が子どものころには「緊張したら石ころやカボチャと思え」と言われたものです。そう思えば緊張しないという理屈ですが,それは,そもそも人に対してきちんと伝えよう,コミュニケーションを取ろうという精神のかけらもない言葉です。こんなところにも,意識の違いを感じます。
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